失敗しない「ミラーレス一眼」の選び方

2017年4月16日

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 ミラーレス一眼の各社製品のパンフレットをフムフムと眺めて、製品の善し悪しを判断するのに一番困ることは、奇怪な文章がわんさか出てくることです。例えばこんな記述があります。

「像面位相差AFとコントラストAFを組み合わせ、117点の位相差AF検出方式測距点を配置しています」
「隣接する画素間でギャップを作らないオンチップレンズ構造、および光の入射角に合わせたオンチップレンズ位置の最適化が行われております」
「回折低減処理で絞りに応じて最適なフィルター処理を施します」

これらすべて本当にカタログに載っていた説明文です。(私はいちおう理解できますが)ほとんどの方には意味不明なコトバが羅列されているだけだと思います。光学技術とデジタル技術の結晶であるカメラは、新しい技術でトレードオフをどんどん解決することを志向しているため、技術用語がたくさん登場します。これを以って製品の善し悪しを判断できるわけがありません。

 しかし、ミラーレス一眼の各社の取り組み熱意、製品スペック、将来性などはかなり差があります。これらを踏まえて製品を選ばないと、「買ってみたけれど、いまいち…」などと後悔することになります。各社ともしのぎを削って技術開発に取り組んでいますが、カメラの性能というのはパソコンのスペックなどとは違って単一の指標のみでは測れない部分もあることは事実です。

 そこでここでは、ミラーレス一眼などのレンズ交換式のカメラをチョイスする際に、絶対に抑えておかなくてはならないポイントを解説します。

(1)カメラ本体の画質性能

撮れる写真の善し悪しを決めるもっとも大事なことはやはり、カメラの画質性能になります。ここで、そもそも「画質」って一体なんでしょうか?

まず、写真の画質の良さを決める要素は、基本的には次の5つと考えられています。

1.色表現の正確さ(=階調性の高さ)
2.ボケの大きさ(=被写界深度の自由度の高さ)
3.明るい所と暗い所の両立の度合い(=ダイナミックレンジの広さ)
4.暗い時のノイズの少なさ(=高感度性能)

これらを追求するとき、カメラの本体の「イメージセンサー(=撮像素子)」のサイズが最も重要な要素です。(イメージセンサーとはレンズ交換式カメラでレンズを外したときに、正面に見える”四角い物体”のことです。サイズとは目で見える物理的な大小(縦×横の面接)そのものを指す)。

というのは、上記の4要素は「一画素あたりのセンサーサイズ」に比例しているからです。イメージセンサーが大きくなれば、それに伴ってよりたくさんの光量を取り込むことができるからです。大きなイメージセンサーなら1画素あたりの受光量も余裕があり、写真の画質も上がります。小さな撮像素子に無理矢理たくさんの画素を詰め込めば、1画素あたりの受光量は減って画質は下がります。

例えば、ミラーレス一眼で標準的に使われているAPS-C(23.4mm×16.7mm)のセンサーは、多くのコンパクトデジカメに採用されている1/2.3型(6.2mm×4.6mm)の約「14倍」の面積があります。そこに同じ画素数を詰め込むのであれば、1画素あたり14倍の受光量ですから、それだけ高画質になります。

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ちなみに、これが理解できれば、「画素数の多さ=画質の良さ」という多くの人が抱く通説に対しても、間違いであることがわかると思います。最近はコンデジでも画素数を製品の売り物にする傾向が顕著でありますが、1/2.3型などの小さいイメージセンサーであっても1600万画素超えの詰め込むなど、実際はほとんど狂気の沙汰の行為です。

「大は小をかねる」とはよく言いますが、カメラの画素数を増やしすぎるとかえって画質が落ちることもあります。むしろ、画素数を欲張らずにセンサーサイズのメリットを生かし画質を追求するモデルを購入すべきです。この点に関して既存の製品を見渡してみると、センサーサイズがAPS-Cサイズ(23.4mm×16.7mm)のセンサーだと1600~2400万画素、4/3型(17.3mm×13mm)では1200~1600万画素と、センサーサイズに即した適切な画素数が設定されているようです。

次に、「どの程度の画素数があれば十分か?」という論点がありますが、それは用途によって変わります。ツイッターやFacebookなどのSNSやブログにアップする程度であれば、1000万画素もあれば十分です。例えば、800万画素クラスのカメラの解像度は、「3264×2448」程度です。通常のパソコンディスプレイの解像度が「1024×768」であり、これは横も縦も3倍以上大きいわけですから、十分過ぎるわけです。

(2)レンズの充実度

レンズ交換式カメラを購入する際に検討するとき、どうしても製品本体の性能でもって比較しがちですが、それだけでは判断できません。写真の画質はレンズの光学的な描写性能にも大きく依存するからです。いくら高性能な撮像素子を搭載したカメラ本体であっても、ショボいレンズを使っていては、ショボい写真しか撮れないのです。

また、コンデジしか使用したことがない方にはわかりにくいことですが、交換レンズはカメラ本体ほど陳腐化しません。「主役→カメラ、消耗品→レンズ」というイメージに囚われると、選択を誤ります。

事実はむしろ逆であり、買換えサイクルは、「 レンズ > カメラ 」となるからです。

交換レンズは、光学的技巧で設計されるものであり、原理的には過去のものと変化が少ないものです。秀逸なレンズであれば10年も愛好することができる場合もあります。つまり交換レンズはユーザーにとって消耗品ではなく資産なのです。

交換レンズのマウントは、基本的に各メーカー専用です。マイクロフォーサーズのようにメーカーを超えて共通規格を定めたものも例外的にありますが、キャノンのレンズはキャノンのカメラ、ニコンレンズはニコンのカメラでしか使えません。

「マウントアダプター」を介せば、他社の交換レンズをつけることも出来ますが、オートフォーカスが機能しなかったり、遅かったりという制限があります。

また、レンズ資産の活用という観点から、既存の一眼レフ用レンズをセットできるマウントアダプターが用意されていることを売りにするメーカーもありますが、それではイラーレス一眼を買う意味がなくなります。そもそもアダプターによりカメラが巨大化するので、ミラーレス一眼のコンパクトさというメリットが享受できなくなるからです。(いくつか実際に試してみましたが、アダプターを付けるとちょうど一眼レフぐらいの重さになりました・・・)

とはいえ、ミラーレス一眼は、市場に登場してまだ間もない製品です。対応するレンズはどのメーカーでもまだまだ少ない状態です。交換レンズは基本的にメーカー専用であることを考えると、将来性を考慮に入れて選択する必要があります。「フォーサーズ」のように、規格が提唱されてから市況が冷え込んだ結果、後継機や交換レンズがまったく開発されなくなる、なんてこともあり得るからです。

先のことを予測するのは困難ですが、現時点でも明らかにミラーレス一眼に対してあまり本気度が感じられないメーカーもあります。それを判断する試金石としては、今後のレンズ発売のロードマップの公開が重要な要素となると思います。

ソニー:Eマウントレンズロードマップ(更新停止中)
富士フィルム:XFマウントレンズロードマップ
パナソニック:マイクロフォーサーズレンズロードマップ

(3)その他、付加的なものとか

 どのミラーレス一眼を買うか選択する際に必ず抑えておきたいポイントは上記2点ですが、その他にも被写体や用途によって着目しておく機能がもろもろあると思います。

 ミラーレスカメラはデジタル一眼レフに比べて、望遠撮影や暗所でのオートフォーカスが遅いと言われてきました。しかし、センサーを高速駆動させることや像面位相差という方式の採用でAF速度を高めている機種も登場しています。スナップショットなど静止物を撮ることが目的であれば大きく拘る必要はありませんが、 子どもや動物など素早く動く被写体を撮りたいのであれば着目しておきましょう。

 また、撮った写真をFacebookやTwitterなどのSMSで共有したい場合は、Wi-Fi機能を搭載するカメラを選べば、カメラからスマートフォンにワイヤレス転送が可能となります。撮ったその場で投稿したいという人には重宝する機能でしょう。


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