OLYMPUS「OM-D E-M5 Mark II」

2016年11月22日

OLYMPUS「OM-D E-M5 Mark II」

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オリンパス「OM-D E-M5 Mark II」は、4/3型の有効1,605万画素センサーを搭載したミラーレス一眼です。オリンパスのラインアップ中では、フラッグシップ「OM-D E-M1」に続く、ナンバー2の位置づけです。

2012年3月に発売された前モデルから3年ぶりのアップデートとなりました。操作系インターフェースの改良、イメージセンサーシフト式の「5軸VCM手ブレ補正」がいっそう強化されたことに加え、いくつか他機種には無いのユニークなさ新機能も搭載されました。

主な特徴

  • 5軸手ぶれ補正機構
  • 4000万画素の高解像撮影ができる「40Mハイレゾショット」
  • 防塵防滴耐低温仕様のボディ
  • コンパクトで質感の高い金属ボディ
  • 高速連写 10~11コマ/秒
  • 2軸電子水準器
  • 高解像度&高精細のEVF
  • バリアングル式3インチのタッチパネルモニター
  • HD動画品質の改善
  • ノイズ耐性の向上
  • カメラ内でHDR作成とプレビューができる
  • レリーズ時の音と振動を低減する電子シャッター
  • 短編イメージビデオを自動作成するクリップス
  • Wi-Fi 内蔵

デザインとインターフェース

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デザインはレトロなインターフェースをOM-D EM-5の初代から継承し、外観に大きな変化はありません。サイズは前モデルより少しだけ大きくなっています。しかし、マグネシウム合金のボディで防塵・防滴、それでこのコンパクトさは驚異的で、富士フィルムのX-T1やソニーのα7シリーズなど他のハイエンドミラーレス一眼よりもさらにコンパクトです。
コンパクトボディながら、若干突き出したグリップとその角度は手に馴染み、ホールド感は十分あります。

操作系インターフェースは、上級者向けに提供されているOM-Dシリーズだけあって、機能性に富んでいて、かなり強気です。ボタンやスイッチの数はとても多い。オプションを駆使してかなり包括的な設定ができるものの、操作に慣れて直感的に使えるようになるまでは多少時間を要するかもしれません。もちろん慣れてしまえばサクサク撮影ができるものの、どのボタンはどこにあってどんな役割があるのか覚えるまでは少し大変です。
もしあなたが初心者なら、このカメラではなく入門機から慣れ親しんだ方が良いかもしれません。
なお、コントロール系における不満としては、背面にある小さな方向パッドが小さすぎて操作しづらいことがしばしば指摘されています。

もう一つの、OM-D-E-M5 Mark IIのデザインインターフェースの大きな変更点は、背面の液晶モニターが可動式のバリアングルになったことです。前モデルはフリップして上げ下げしかできませんでしたが、Mark IIでは360度回転し、自撮りも可能になりました。高い角度や低い角度から液晶モニターを確認できるので、撮影アングルのバリエーションが広がることでしょう。

さらに、電子ビューファインダーもグレードアップし、オリンパスの最上位モデルのEM-1の大型で高精細のものと同等になりました。この電子ビューファインダーは、精細さやタイムラグの少なさでどの他社のカメラより優れているとも言われます。
電子ビューファインダーは約236万ドット。視野率は約100%、ファインダーの倍率は35mm判換算では0.74倍、と驚きの大きさです。これがどのくらいスゴいかというと、ニコンの最上位機種のD4S(直販価格で約65万円)のファインダーの倍率は約0.7倍であり、それを上回っています。
光学ファインダーが好きだと言う人はまだまだ多いですが、この電子ビューファインダーなら迫力あるファインダー像で被写体を撮影することができます。

画質

画質については、2012年の初代OM-D EM-5から、Mark iiも含めてほぼ一緒の画質です。16メガピクセルのセンサーは一切が変更なく、ISO感度の範囲もまったく同じ。画像処理エンジンに少しの改善を加えた小さなアップデートです。

DxOMarkのセンサースコアは「73」であり、初代E-M5との比較では、高感度性能にわずかな改善が見られますが、それほど大きな変化はありません。
Olympus E M5

とはいえ、手ぶれ補正の性能がアップしているので、スコアには現れませんが手持ち撮影時の解像度は向上していると思われます。もともと、オリンパスはOM-D EM-5から画質には定評があり、オリンパスのカメラではE-M1と並んでトップ。マイクロフォーサーズでは、パナソニックのGH4の「74」に次いで2位のスコアとなっており、基本的にはかなり素晴らしい写真が撮影できます。
風景やポートレートの撮影は、自然で豊かな発色で、RAW画像で光のコンディションが良い時は、文句なしな画質が得られます。インカメラのJPGイメージもまずまずです。

そして、マイクロフォーサーズの最大の利点は豊富なレンズのラインナップです。「M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8」をはじめとする大口径のレンズの選択肢が多いマイクロフォーサーズのシステムは、パナソニックのレンズも使用できるため、ミラーレス一眼の中ではもっとも多数のレンズラインナップになります。

弱点は、光が少ない暗所でのシチュエーションの撮影が苦手なことです。富士フイルムやソニーと比べてセンサーが小型なため、どうしても高感度の撮影能力では劣ってしまいます。ISO800を超えたあたりからAPS-Cセンサーのカメラよりノイズが目立ちはじめます。野外での撮影がメインなら問題ないですが、室内の暗い場所での撮影が多いのなら、他メーカーの機種が選択肢になると思います。

5軸手ぶれ補正と、40メガピクセルのハイレゾショット

オリンパスの手ブレ補正はフォーサーズ時代から好評でしたが、5軸手ぶれ補正機能のアルゴリズムが改良により、大きく進化しました。公称値は、CIPA規格準拠で「シャッター速度5段分」となっており、これはE-M1の4段、E-M10やE-PL7の3.5段を上回ります。ここでいうCIPAは、ヨー(左右方向の揺れ)とピッチ(前後方向の揺れ)の2軸のブレについてのみ評価対象としています。しかし、E-M5 Mark IIは、さらに、マクロ撮影時に発生しやすいシフトブレ(上下左右への平行移動)やレンズ内手ぶれ補正機構では補正できないロールブレ(光軸に対しての回転)にも対応しています。

シャッター速度5段分というと、例えば暗めの部屋で、手ブレを避けるために1/60のシャッタースピードすべきところを1/2のシャッタースピードで撮影してもクリアな画質が得られる、ということです。
これについては、オリンパスの公称値ほどの効果が得られなかったとの指摘も一部ではあるようです。しかし、それでも5軸手ぶれ補正は随一であり、ソニーのα7 Mark iiに搭載された5軸手ブレ補正よりも優れています。写真家の赤城耕一氏も、『話題の「世界で一番ブレない」という5軸手ブレ補正だが、これには本当に驚かされる』と評価しています。

もう一つ特筆すべきは、ユニークな機能である40メガピクセルのハイレゾショットです。16メガピクセルのセンサーであっても、シャッターを押した後に0.5ピクセル単位でセンサーを動かしながら8回撮影し、40Mセンサー相当(JPEGで7296×5472ピクセル)の高解像度の写真の生成できます。
使用時には三脚が必須であることと、絞り値はf/8以上で撮影しなくてはならない制限もあります。さらに、画像のファイルサイズがとても大きいところが難点です。JPEGでも17.8MBと重い。さらにRAWでは、普通のRAWが約14MB(公称値)に対して、ハイレゾショットのRAWは100MB超ですから、何枚も撮りためるのは厳しいかもしれません。機能にはひと癖ありますが、非常に高精細な画質を得られるのは、とてもユニークな機能です。

(サンプル画像は下記リンク)
http://olympus-imaging.jp/product/dslr/em5mk2/feature4.html

手持ち撮影も可能で、大幅に機能向上した「動画」

オリンパスは、動画撮影に関しては、初代のEM-5から動体へのAF追尾はも悪く、お世辞にも得意分野ではありませんでしたが、Mark IIではマルチフレームレート(60p/50p/30p/25p/24p)、50Mbpsを超える高ビットレート撮影に対応しました。

動画撮影では、5軸手ぶれ補正に加えて、「電子手ぶれ補正機能」も有効になり、一脚やスタビライザーを使わない手持ち撮影でもほとんど揺れは見られず、手持ちによるアクティブなカメラワークの実現や、被写体に威圧感を与えずに自然な表情が切り取れることを売りにしています。

動画撮影に強いミラーレスといえば、パナソニックGH4ですが、手ブレ補正効果によってE-M5 Mark IIはスタビライザーなしでも安定した映像が得られるようです。

とはいえ、ライバル機種と比べると動画撮影の画質はまだまだなようで、Michael Hession氏は次のように評価しています。

実際の動画のクオリティはちょっと残念でした。1,100ドル(約13万円)のカメラのわりには、精細さが劣っています(例え静止画用途にデザインされたカメラだとしても)。もちろん、初代のE-M5よりは良くなっていますが、それでも基本的な性能に関してはそんなに大きく変わっていません。77 Mbit/sのビットレートのおかげ、ローリングシャッターとモアレ等は最小限に抑えられていますし、画質もそこそこきれいです。つまるところ、カジュアルな動画撮影には使えるけれども、クオリティが必要なプロユースには向いていません。
http://www.gizmodo.jp/2015/04/om-d_e-m5.html

スピードとパフォーマンス

スピードとパフォーマンスにおいては、オリンパスは初代のEM-5から抜群の速さでしたが、さらにMark IIは、オートフォーカスシステムが35点から85点にアップしています。81点の測距点はファインダーとモニター上にかなりの広がりがあるので、かなりほそく範囲が広くなったと実感できます。

追尾AFもミラーレス一眼の中では速い部類となります。Mark IIには顔と目の認識機能もあって、カスタマイズも可能で便利。また、Mark IIは、連続撮影時のタイムラグは、前モデルのOM-D E-M5よりも、が45%も短縮しているとのこともちろん、Wi-Fiも使えます。バッテリーは、CIPA基準で約310枚の撮影枚数です

キットレンズ

キットレンズには、倍率の高いズームレンズが付属する2種類があります。どちらも携帯性と利便性に優れていますが、描写力にこだわるならキットレンズではなく、ワンランク上のM.ZUIKO PROレンズがおすすめです。重くて前面に重量が寄ってしまうことは難点ですが、素晴らしい画質です。

これは買うべき?

EM-5 Mark IIは一般的な写真撮影が目的だったら、実現できる事も多くて、使えるレンズのラインナップも豊富で、優れたカメラだと思います。暗い所での撮影が苦手なことを除けば、あらゆるタイプの撮影に適合します。

ただし、ちょっと価格が高いところが気になります。搭載しているセンサーは下位モデルのE-PL6やE-PL7と同じもの。画質はほとんど変わりませんが、価格はこれらの2倍ほどです。ソニーのα6000など、他メーカーのAPS-Cセンサーで画質の良いカメラが約半額で買えるものもあります。オリンパスの他のOM-Dのカメラの中でも、5万円ほど安く手に入るものとして、少し機能が簡略化されているものの3軸手振れ補正もついたEM-10があります。

また、E-M5をすでに持っている人は、特に画質が良くなったわけでもないので買い換える理由は見つけづらいでしょう。ハイレゾショットはユニークな機能ですが、多用して使う類のものではない。手振れ補正も進化したことには間違いないのですが、撮影のスタイルが変わるほどアップデートでもありません。

全体的には非常に優れた良いカメラだし、ハイエンドでコンパクト、機能的なマイクロフォーサーズのカメラを探しているのであればE-M5 Mark IIはかなり有力な選択肢だと思います。

良いところ

  • (仮に5段分の効果がないにせよ)手ブレ補正機能が進化した
  • 操作系インターフェースは、パワーユーザーにとっては使いやすい
  • クオリティの高いレンズの選択肢が豊富、単焦点なら17mm f/1.8、ズームなら12-40mm f/2.8 PROレンズがおすすめ

微妙なところ

  • 画質が初代のEM-5からほとんど変わっていない
  • 他メーカーの大きいセンサーのミラーレスと比較すると高価
  • 暗いところでの撮影と、動画がディテールに欠ける

サンプル画像が見られるサイト

★kasyapa
★PHOTO YODOBASHI
★PHOTOHITO
★flickr
★GANREF
★500px

他サイトのレビュー

旅×カメラ:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II