SONY「α6500」を徹底レビュー – これまでのαシリーズの不満を大きく解消したAPS-Cミラーレス

2017年6月17日

α6500

主な特徴

 ソニーのAPS-Cミラーレスカメラの最上位モデルだった「α6300」(2016年3月発売)の後継モデル。同社APS-Cミラーレス機の新フラッグシップモデルとなる。新たに「ボディ内5軸手ブレ補正機構」を搭載したほか、「AFと連写」の性能が向上。これまでなかったタッチパネル搭載など、α6300の発売からわずか9ヶ月でのリリースですが、機能がブラッシュアップされて、多くの不満点を解消してオールラウンドに仕上がっています。

  • 有効画素数2420万画素 Exmor CMOSイメージセンサー
  • 約5段分のボディ内5軸手ブレ補正
  • タッチスクリーン式のチルト液晶モニター
  • ファインダーを覗きながら測距点を変更することが可能なタッチパッドAF
  • 合焦速度約0.05秒の4D FOCUS高速AFシステム
  • AF追随約11コマ/秒の高速連写(ライブビュー表示モード時約8コマ/秒)
  • 大容量バッファーメモリーによる307枚(約36秒)までの高速連続撮影
  • 4K(3840×2160)動画記録
  • スマートフォンアプリを利用しての位置情報を取得

基本情報

α6500 α6300
メーカー ソニー ソニー
発売日 2016年12月 2日 2016年3月11日
参考価格 ¥135,000 ¥150,000

デザインとインターフェース

camerasize.comから製品のサイズを比較しました。

【正面】
α6500 6300 正面

【上面】
α6500 上面
カスタムボタンC1、C2(新設)をシャッターボタン付近に配置されています。また、グリップが僅か(5mm)ですが大きくなっています。

【背面】
α6500 背面

α6500 α6300
素材 マグネシウム合金 マグネシウム合金
防塵防滴
バッテリー NP-FW50 NP-FW50
撮影枚数(CIPA基準) ファインダー使用時:約310枚
液晶モニター使用時:約350枚
ファインダー使用時:約350枚
液晶モニター使用時:約400枚
対応記録メディア メモリースティック
SD/HC/XC
(UHS-I対応)
メモリースティック
SD/HC/XC
(UHS-I対応)
重量
(バッテリー、記録メディア含む)
453g 404 g
サイズ
(幅x高さx奥行き)
120.0 x 66.9 x 53.3 mm 120.0 x 66.9 x 48.8 mm

α6500外観は、前モデルのα6300を踏襲しており、基本的にデザインに変化はありません。新たにボディ内5軸手ブレ補正機構を搭載しましたが、ボディサイズは抑えられています。重量は約453gで、α6300(404g)よりも若干重くはなっています。

ボディは引き続きマグネシウム合金製で、防塵/防滴をうたってはいませんが、それに配慮した設計としています。バッテリーに変更なく、撮影可能枚数はファインダー使用時で約310枚、液晶モニター使用時で約350枚。

画質

イメージセンサー・画像処理

α6500 α6300
有効画素数 2,420万画素 2,420万画素
センサータイプ Exmor CMOSセンサー Exmor CMOSセンサー
センサーサイズ APS-C
23.5 ~ 15.6
APS-C
23.5 ~ 15.6
ISO感度 100-25600
(拡張:100 – 51200)
100-25600
(拡張:100 – 51200)
ローパスレス
手ぶれ補正
(5軸 5.0段)

(レンズ側対応)
画像処理プロセッサ BIONZ X BIONZ X
RAW形式 14bit 14bit

撮像素子は有効2,420万画素のExmor CMOSセンサーで、画素数や最高感度はα6300と同じ。一方、フロントエンドLSIは新開発のものとなっていて、高感度時のJPEG画質が向上しているとのこと。しかし、画質の良さを計測したセンサースコアは、DxoMarkによると、α6300と変わりないとの結果が出ています。

一方、ボディ内5軸手ブレ補正機構は、ソニーのAPS-Cでは初搭載されたことが大きなポイントです。フルサイズの最上位機種α7シリーズでは既に搭載ずみでしたが、APS-Cミラーレスにも対象を広げてきました。補正効果は5段分で、装着可能な全てのEマウント純正レンズ、マウントアダプターを介したAマウントレンズでも有効です。

オートフォーカス・連写

α6500 α6300
AF方式 ファストハイブリッドAF
(位相差 AF+ コントラストAF)
ファストハイブリッドAF
(位相差 AF+ コントラストAF)
AF測距点 425点(位相差AF)
69点(コントラストAF)
425点
輝度範囲 EV-1-20 EV-1-20
シャッタースピード 1/4000 – 30 秒 1/4000 – 30 秒
フラッシュ同調速度 1/160 秒 1/160 秒
連続撮影コマ数 11コマ / 秒 11コマ / 秒
連続撮影バッファ JPEG:233枚
RAW:107枚
RAW+JPEG:100枚
JPEG:44枚
RAW:21枚
RAW+JPEG:21枚

最高連写速度はAE/AF追従で11コマ/秒。表示タイムラグの無いライブビュー連写時は最高8コマ/秒、α6300から変更なし。しかし、バッファが桁違いに増えていて、連続撮影可能枚数は5倍ほどになっています。

シャッターは、耐久回数20万回を実現。ブレーキ機構や弾性部材の追加により低振動、静音化も達成。最高シャッター速度は1/4,000秒。シンクロ速度は1/160秒。

original_ilce-6500_8fps_01

液晶モニタ

α6500 α6300
画面サイズ 3.0 インチ 3.0 インチ
ドット数 92 万ドット 92 万ドット
可動式モニタ チルト チルト
タッチ操作

液晶モニターは約92万ドットの3型タッチパネル式。サイズと画素数に変化はありませんが、タッチAFがついに搭載されました。タッチ操作はオリンパスやパナソニックのミラーレスにはお馴染みで、モニタにタッチするだけでフォーカスを合わせることができるなど好評の声も多々ありましたが、ソニーのミラースには搭載されていませんでした。また、EVF使用時にファインダーを覗きながら操作できるフォーカス位置を操舵できる「タッチパッド機能」も搭載されました。

original_ilce-6500_img_03

一方、dpreviewがα6500 タッチパネルの挙動を検証した動画では、AFポイントをドラッグしたときの遅延やタップした時に反応しない、などの指摘がされています。今後、ファームウェアアップデートで改善される可能性もありますが、この点の操作性はライバル機に劣るかもしれません。

ファインダー

α6500 α6300
ファインダー 電子式ビューファインダー 電子式ビューファインダー
ドット数 236 万ドット 236 万ドット
ファインダー視野率(上下/左右) 100 % / 100 % 100 % / 100 %
ファインダー倍率 (35mm換算) 1.07倍(0.70倍) 1.07倍(0.70倍)
最高フレームレート 120fps 120fps

露出コントロール

α6500 α6300
測光方式 1200分割ライブビュー分析測光 1200分割ライブビュー分析測光
測光範囲 EV-2- EV20 EV-2- EV20
測光モード マルチ測光
中央重点測光
スポット測光
画面全体平均測光
ハイライト重点測光
マルチ測光
中央重点測光
スポット測光
露出補正 ±5.0EV
(1/3EV, 1/2EV ステップ選択可能)
±5.0EV
(1/3EV, 1/2EV ステップ選択可能)

ざっくりスペック的には変化ありませんが、測光モードに「ハイライト重点測光」と「画面全体平均測光」が加わりました。

その他撮影機能

α6500 α6300
ホワイトバランス オート
プリセット(8種)
フラッシュ
色温度設定(2500K-9900K)
カラーフィルター
(G7-M7、A7-B7)
カスタム
水中オート
オート
プリセット(8種)
フラッシュ
色温度設定(2500K-9900K)
カラーフィルター
(G7-M7、A7-B7)
カスタム
水中オート
アドバンストフィルター トイカメラ
ポップカラー
ポスタリゼーション
レトロフォト
ソフトハイキー
パートカラー
ハイコントラストモノクロ
ソフトフォーカス
絵画調HDR
リッチトーンモノクロ
ミニチュア
水彩画調
イラスト調
トイカメラ
ポップカラー
ポスタリゼーション
レトロフォト
ソフトハイキー
パートカラー
ハイコントラストモノクロ
ソフトフォーカス
絵画調HDR
リッチトーンモノクロ
ミニチュア
水彩画調
イラスト調
カメラ内RAW現像

動画

α6500 α6300
映像記録方式 XAVC S
AVCHD
MP4
XAVC S
AVCHD
MP4
音声記録 LPCM 2ch
Dolby Digital
AAC
LPCM 2ch
Dolby Digital
AAC
動画記録サイズ/
フレームレート
4K:30p
Full HD:120p
4K:30p
Full HD:120p
フォーマット

4K動画記録(最高30p)にも対応。6Kサイズでサンプリングし、4Kにリサイズすることで、高画質な4K映像を実現したとしている。フルHDの撮影フレームは1fps~120fpsに可変できます。なお、4K動画から800万画素の静止画を切り出すことも可能。

α6500で撮影されたサンプル4K動画(なるべく大画面でみると凄さがわかります)

α6500で撮影されたFullHD 5xスローモーション動画

オーバーヒート問題

動画の性能については、スペック的には変更なしに見えますが、α6300には動画を長時間撮影しているとオーバーヒートを起こし強制終了する、といった事例がポツポツ聞かれました。これは4K撮影など動画まわりの機能が強いといわれたα6300の、最大の不満点といわれていました。

α6500はオーバーヒートの問題を克服しているとのテスト結果が出ています。
α6500対α6300を並べて録画をしたテストでは、α6300は18分で録画が止まっているのに対し、α6500が全く問題なく29分間録画できているのがわかります。α6500には動画撮影時に、本体の温度上昇で電源がOFFになる温度の設定ができます。三脚使用時には「高」設定することで、より長時間の動画撮影が可能とのこと。
なお、ソニーの担当者によると、「通常の環境なら(録画終了直後に)もう一度、録画を開始することができ、30分の録画ができる。ただし、3度目の録画からはどれだけ録画できるか保証していない」と。

インターフェース

α6500 α6300
映像/音声出力・デジタル端子 Micro USB Micro USB
外部マイク入力端子 3.5mm 3.5mm
HDMI タイプD タイプD
USB
HDMI
Wi-Fi
Buletuooth
GPS
電子水準器 2軸 2軸
内蔵フラッシュ
(GN 6)

(GN 6)
ホットシュー

Wi-Fiによるスマートフォンへの画像転送やNFCによるペアリングも可能となっています。
なお、GPS機能を搭載していませんが、新たに専用アプリをインストールしたスマートフォンとペアリングすることで、位置情報を付加可能となっています。

これは買うべき?

α6500は、前モデルα6300(2016年3月発売)の発売からわずか9ヶ月でのリリースにも関わらず、各種機能がブラッシュアップされています。ソニーAPS-Cミラーレス機では初となる「ボディ内5軸手ブレ補正機構」を搭載。これまでなかった液晶タッチパネルで、フォーカスポイントを変えながらEVFでの撮影もできます。また、α6300の最大の欠点であった、動画撮影時のオーバーヒート問題も解決されているなど、不満点を解消したオールラウンドなモデルです。

α6300との価格差は2万円ほどしかないので、機能がブラッシュアップされていて、不満点も解消しているα6500は、高性能なAPS-Cミラーレスを探しているユーザーにはピッタリの製品ではないでしょうか。

良いところ

・JPEGとRAW画質が良好
・連写が速く、バッファも多いAFシステム
・4K動画が様々なコントロールが可能で、29分×2回も連続で撮影できる(オーバーヒートしにくい)
・タッチ液晶を搭載

微妙なところ

・キットレンズがない
・カメラ内RAW現像がない
・混乱させるメニュー構造