SONY「α9」 – ブラックアウトのないAF/AE追従20コマ/秒の連写もできるプロ向けフルサイズ機

2017年5月15日

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ソニーは、世界初のモリー内蔵35mmフルサイズ「積層型CMOSイメージセンサー」を搭載するミラーレス一眼カメラ 『α9』を発売します。AF/AE追従20コマ/秒のブラックアウトフリー連続撮影をはじめとする高速性能の実現と、高い信頼性・操作性を求めるスポーツや報道のプロフェッショナルの使用を想定した一眼カメラです。

 SONY α9
メーカーSONY
発売日2017年5月26日
参考価格
(ボディのみ)
約54万円

α9

主な特徴

かなりてんこ盛りのスペックです。

  • メモリ一体型の積層型CMOS「Exmor RS」を採用し、有効画素数は約2,420万。α7 IIに比べ最大20倍の読み出しスピード。 高速読み出しでローリングシャッター歪みを抑えつつ、最高1/32,000秒の無音撮影を実現した「アンチディストーションシャッター」。シャッターユニットの動作による音と振動を完全に排除できる。

  • センサーシフト式の5軸手ブレ補正も搭載。最大効果はシャッタースピード5段分。

  • AE/AF追従で秒20コマの連写が可能。撮影コマ間のブラックアウトもないという。UHS-IIカード使用時は、RAWで連続241枚まで撮影可能。

  •  位相差AFの測距点は693点で、イメージセンサーの約93%の領域をカバーする。コンティニュアスAF・AEはともに60fpsで対象に合わせていく。

  • EVFは約369万ドットの有機EL。輝度は最大でα7R IIの2倍。フレームレートは60fpsか120fpsを選べる。接眼光学系も両面非球面レンズなどを用いた0.78倍。

  • ISO感度は標準で100~51200、拡張ISO感度で最大50~20万4800まで拡張できる。合焦が早い位相差AFと精度の高いコントラストAFを合わせたファストハイブリッドAFにも対応し、「α7R II」に比べて約25%の高速化。

  • 約2.2倍(NP-FW50比)の高容量バッテリー「NP-FZ100」採用。
  • 本体サイズは126.9(幅)×95.6(高さ)×63.0(奥行き)mm。重量は約673g(メモリーカードとバッテリー含む)。

基本情報

 SONY α9
防塵防滴
(配慮した設計)
撮影枚数(CIPA基準)EVF時 480枚
(バッテリーグリップ使用で950枚)
USB充電
対応記録メディアSD+SD or MS
(UHS-II/UHS-I)
重さ
(バッテリー、記録メディア含む)
673g
サイズ
(幅x高さx奥行き)
126.9×95.6×63.0mm

てんこ盛りスペックにして「625g」という驚きの軽さ

camerasize.comから製品のサイズを比較しました。α7R iiと比べると大きさはほとんど同じです。

α9とα7Rii

本体サイズは126.9(幅)×95.6(高さ)×63.0(奥行き)mm。重量は約673g(メモリーカードとバッテリー含む)と、これだけてんこ盛りの機能でありながら、α7R ii(625g)よりも48g重いだけというから驚きです。同じくプロユースの一眼レフとは比較にならない軽さで、nikon D5(1240g)やCANON EOS-1DX Mark II(1530g)の半分ほど。

ボディは「防塵防滴に配慮した設計」。外装素材にはマグネシウム合金を使用。バッテリーは従来のWバッテリーから2.2倍の容量のZバッテリー(NP-FZ100)になり、撮影可能枚数は約480枚(EVF)、約650枚(背面モニター)。さらにUSB充電に対応。UHS-IIカード使用時は、RAWで連続241枚まで撮影可能。

世界初となる35mmフルサイズの積層型CMOSセンサーを搭載

 SONY α9
有効画素数2420万画素
センサータイプ積層型CMOS
センサーサイズフルサイズ
(35mm)
ISO感度100〜51200
(拡張:50〜204,800)
手ぶれ補正
(5軸 5.0段)
画像処理プロセッサBIONZ X
その他 

何かすごいのか?

「α9」には世界初となる35mmフルサイズの積層型CMOSセンサー「Exmor RS」を採用。有効画素数は約2,420万。従来機の「α7 II」など搭載された「表面照射型CMOS」に比べ最大20倍の読み出しスピードを実現できたとのこと。

これの何かすごいのかというと、ブラックアウト問題、ローリングシャッター歪み、という従来のカメラが抱えていたトレードオフの問題を一挙に解決してしまったからです。

詳しく説明すると、大別するとカメラのシャッターには「メカシャッター」と「電子シャッター」の2種類があります。「電子シャッター」の特徴として、①レリーズ後にファインダー像が一瞬見えなくなる「ブラックアウト」が起こらない、②動体を追いながらの高速連写ができる、という利点があると言われていました。一方で、③「ローリングシャッター歪み」が生じるというデメリットもありました。

大きなメリットがありつつも「ローリングシャッター歪み」の問題から、それが生じない「メカシャッター」がこれまでのカメラでは主流でした。しかし、今回のα9でソニーは「積層型CMOS」の高速技術によってこの問題を実用上感じないレベルに抑えることに成功してしまったのです。

ローリングシャッター歪み

その結果、AE/AF追従で20コマ/秒の連写が可能、撮影コマ間のブラックアウトなし。高速読み出しでローリングシャッター歪みを抑えつつ、最高1/32,000秒の無音撮影を実現した「アンチディストーションシャッター」のカメラで、シャッターユニットの動作による音と振動を完全に排除されています。

AE/AF追従の演算は1秒間に60回。シャッター速度はメカシャッターで最高1/8,000秒、電子シャッターで最高1/32,000秒。これまでのメカニカルシャッターではD5や1DX MarkIIのようなフラッグシップ機でも1/8000秒が限界でシャッター音も煩わく鳴り響いてたのですが、α9は完全に無音、無振動です。

 SONY α9
AF方式ファストハイブリッドAF
(像面位相差AF、コントラストAF)
AF合焦速度
(CIPA規格)
 不詳
AF測距点693点 像面位相差
25点 コントラスト
299点 APS-C 像面
測距範囲-3〜20EV
シャッタースピード1/8000〜30秒(メカ)
1/32000〜30秒(電子)
電子先幕シャッター
フラッシュ同調速度1/250秒以下
連続撮影コマ数20コマ/秒(AF追従)
連続撮影バッファRARあり: 241枚
シャッター耐久回数 
その他ブラックアウトレス
4Dフォーカス
サイレント撮影

ちなみに、同じくフルサイズの「一眼レフ」の最上位機種では、「nikon D5」は12コマ/秒「CANON EOS-1DX Mark II」は14コマ/秒です。

ブラックアウトなしで、AE/AF追従で秒20コマの連写のスゴさは↓のムービーをみるとわかると思います。

α9機能説明ビデオ

サイレントシャッターの説明ビデオ

 

感度はISO100〜51200(拡張でISO50〜204800相当)、14bit RAWで記録も可能。また、「センサーシフト式の5軸手ブレ補正」(5段分の効果)も搭載し、画像処理エンジンBIONZ Xも従来比約1.8倍に高速化しているとのこと。

高速AFとAFカバーエリア93%

コントラストAFと組み合わせた「ファストハイブリッドAF」は、α7R IIより25%高速化。

また、AF範囲もとんでもなく広いです。像面位相差AFの測距点が693カ所とこれに25点のコントラストAFを組み合わせた「ハイブリッドAF」。α6500などに搭載されていた4Dフォーカスもフルサイズとしては初搭載され、動体への追尾性も高いAFとなっているようです。

さらに驚きなのがAFがカバーするエリアで、全画面の93%がカバーされます。


Sony UKより

ほとんど全画面といえるエリアのAF測距点を使いながら被写体を捕捉できるわけです。D5や1DX MarkIIといった一眼レフによる位相差AFではAF測距点は中央に偏っているため、カバー率は30~40%程度と画面全体を補足し続けることができなかっただけに、これはかなりのメリットといえます。

操作系も強化

操作系もこれまでのα7シリーズではプロユースでは不満点も聞かれましたが、大幅に強化されています。まず、これまでなかった上面の左手側にドライブモードダイヤル・フォーカスモードダイヤル、ジョイスティックを新たに搭載

さらに、α7 IIシリーズでは「AF/MF/AEL切換レバーとボタン」であったものが、α9では「AF-ONボタン」と「AELボタン」として独立して配置されています。

α9とα7R IIの背面図

α9とα7R IIの上面図

α9とα7R IIの背面図 α9とα7R IIの背面図

 
その他、細かい変更点としては、右手側側面のMOVIEボタン(確かにそんなに押しやすいと思えない位置にあった)が背面に移動し、好みの機能を割り当てられるC3ボタンが、背面の右手側から左手側に移動。コントロールホイールも若干大型化して使いやすそうになっています。 

液晶モニタ

 SONY α9
画面サイズ3.0型
ドット数144万ドット
可動式モニタチルト方式
タッチ操作

3型144万ドットの背面チルトモニター。タッチパネル式と、SONY製フルサイズのミラーレス一眼シリーズでは、初めて(やっと)タッチAFにも対応しました!

α9チルトモニター

ファインダー

 

 SONY α9
ファインダーEVF
ドット数368万ドット
ファインダー視野率
(上下/左右)
100 % / 100 %
ファインダー倍率
(35mm換算)
0.78倍
最高フレームレート120fps

α9ファインダー

EVFは約369万ドットの有機EL。ソニーの内蔵EVFで過去最高の解像度であり、輝度も最大でα7R IIの2倍。フレームレートはフレームレートは電池持ち重視の60fpsと、撮影性を重視した120fpsを選択可。連写時は60fpsに低下しますが、20コマ秒の連写中でもブラックアウトがありません。

接眼光学系も両面非球面レンズなどを用いた0.78倍。ツァイスT*コーティングも施されています。

動画

動画機能は4K 30p、フルHD 120pの記録が可能。4K動画記録は画素加算のない全画素読み出しで、6K相当の情報量から4K映像を出力。連続記録は約29分。

4K動画サンプル

インターフェース

プロ向けの仕様として、イーサネット端子(有線LANポート)、デュアルSDスロット(片方はUHS-II対応SD、もう片方はUHS-I対応SDとメモリースティックDuo対応)、USB充電に対応。ただし、USBは2.0ポートとなっています。

Wi-Fi/NFC/Bluetooth機能を内蔵。スマートフォン連携による各種機能を利用できます。

これは買うべき?

フルサイズセンサーを搭載したα7シリーズの登場により、画質面ではすでに一眼レフと同等の性能を有していたと言ってよいミラーレス。積層型CMOSイメージセンサーを搭載したα9の登場により、ブラックアウトなどミラーレスのデメリットが帳消しになり、一眼レフに比べて優位性がさらにアップしました。ソニーは今回の次の世代となるさらに高速化した、DRAMを盛り込んだ3層積層型のCMOSも開発しているといいます。

伸びしろ、という意味では、一眼レフは基本的に「機械」ですから物理構造の制約があるため、大きな技術革新が生まれにくいものです。一方のミラーレスは、電子部品の寄せ集めであり、半導体がどんどん高速化・大容量化していくにつれて、、まだまだ進歩していくものと考えられます。

FEマウントのレンズ群もソニーはどんどん充実させているのですが、老舗メーカーのニコンやキャノンと比べると、プロスポーツ用としてはラインナップが見劣りします。その点も当然ソニーは次の展開を考えていると思われますので、時間の経過とともにラインナップの充実を測ってくることでしょう。

良いところ
  • 2,420万画素、ブラックアウトなしのAE/AF追従20コマ/秒の連写
  • ローリングシャッター歪み(事実上)ない、最高1/32,000秒の無音電子シャッター
  • 693カ所の測距点とAFがカバーするエリアが全画面の93%
  • 約369万ドット、最高120fpsのEVF
  • ジョイスティックなど操作系も改善
 
微妙なところ
  • シャッターを切った瞬間の直前の写真を記録するプリキャプチャーの機能(OLYMPUSの「プロキャプチャー」モードなど)がない
  • レンズ群が一眼レフのメーカーに比べるとまだ少ない

作例・サンプル画像

公式サイトサンプル
公式サイトサンプル

画像引用:SONY


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