フルサイズ ミラーレス一眼、おすすめ機種は?「α9」と「α7 IIシリーズ」の違いを徹底比較!

2017年5月25日

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コニカミノルタ時代のαシリーズから、その最高峰モデルには「9」の名が称されてきました。ソニーがコニカミノルタのカメラ事業を継承してからも、その伝統が引き継がれており、一眼レフカメラではα900、α99をリリース。

そして、ミラーレス一眼カメラにも、とうとう「α9」が2017年5月に発売されます。ソニー「α9」は、フルサイズ機のα7シリーズのデザインやマウントをベースとして、積層型CMOSセンサー「Exmor RS」を搭載し、ブラックアウトなしで最高20コマ/秒の高速連写、ローリングシャッター歪みの解消をも可能にするなど驚きのスペックを実現したフルサイズミラーレス一眼カメラです。

α9の登場により、でソニーのフルサイズミラーレス一眼カメラのラインナップはα7・α7S・α7Rシリーズとで合計4モデルとなりました。製品の数は、型落ち品も含めると7つ(α9、α7、α7 II、α7S・α7S II、α7R、α7R II)になります。

それぞれ機能に特徴があるものの、フルサイズセンサーを搭載していてデザインも似通っているところは共通していますが、価格には大きな開きがあるため、いろいろ考えるとどれを選んでいいものやら悩ましい。

そこで、フルサイズのミラーレス一眼の購入を検討している人向けに、α9とα7シリーズの最新モデルであるα7 II、α7S II、α7R IIのスペックを比較してみました。ぜひ、購入の参考にしてください。

基本情報

 α9α7R IIα7S IIα7 II
メーカーSONYSONYSONYSONY
発売日2017年5月26日2015年8月7日2015年10月16日2014年12月5日
参考価格
(ボディのみ)
約54万円約35万円約33万円約16万円

価格差は、最上位のα9が約54万円、もっとも安いα7 IIが約16万円とかなりの差ががあります。基本的には、次のように整理できます。

  • α7シリーズ  フルサイズの中の入門機種
  • α7Sシリーズ 画素数を抑えて高感度性能に特化した機種
  • α7Rシリーズ 高画素のハイダイナミックレンジを重視した機
  • α9       AF性能や超高速連写など動きモノを意識した機種

特徴については、以下で述べていきますがおおよそ性能に比例して価格が上がっていくものになるものの、必ずしも高価な機種がベストというわけではなく、「何を撮りたいか?」によって選択肢が変わっていくものとお考えください。

デザイン・操作性

ボディ外観

ボディデザインはα7 IIシリーズのものを踏襲。α9は若干厚みが増していますが、幅と高さはほぼ同じでグリップの形状に大きな変化はありません。  

比較表

 α9α7R IIα7S IIα7 II
防塵防滴
(使用温度範囲)

(配慮した設計)

(配慮した設計)

(配慮した設計)

(配慮した設計)
撮影枚数
(CIPA基準)
液晶モニタ 650枚
EVF 480枚
液晶モニタ 340枚
EVF 290枚
液晶モニタ 370枚
EVF 310枚
液晶モニタ 350枚
EVF 270枚
USB充電
対応記録メディアSD×2
(UHS-II/UHS-I)
SD×1
(UHS-I)
SD×1
(UHS-I)
SD×1
(UHS-I)
重さ
(バッテリー、
記録メディア含む)
673g625g627g599g
サイズ
(幅x高さx奥行き)
127×96×63mm127×96×60mm127×96×60mm127×96×60mm

本体のみの重さも据え置きで、ボディ単体ではいずれも同程度の重さなのですが、α9は新型のバッテリー(NP-FZ100)が大容量化で重くなったためで、バッテリーと記録メディアを含む重さでは、「673g」(46g増)になっています。

7 IIシリーズで撮影可能枚数は300枚前後(EVF撮影時)であるのに比べると、α9はバッテリーが大容量化(α7 IIシリーズのNP-FW50の約2.2倍の容量)したためぐっと増えてファインダー撮影時で480枚、モニター撮影時で650枚となっています。ファインダーの表示に電気を使わない光学ファインダー式の一眼レフには劣るものの、ミラーレス一眼カメラではトップクラスになります。

記録メディアは、α7 IIシリーズは1スロット(SDカードとメモリースティックデュオ)だったのものが、α9は2スロットに。また、1スロットはSDカードのUHS-IIに対応。

via デジカメWatch

 操作性の改善点

α9とα7R IIの背面図

α9とα7R IIの上面図

操作系の大きな改善点としては、二つあります。一つ目は、上面の左手側にドライブモードダイヤルとフォーカスモードダイヤルが新たに配置されたことです。

α9とα7R IIの背面図 α9とα7R IIの背面図
二つ目は、背面にはジョイスティック(おもに測距点選択を行なう)が配置され、さらに、α7 IIシリーズでは「AF/MF/AEL切換レバーとボタン」であったものが、α9では「AF-ONボタン」と「AELボタン」として独立して配置されています。

その他、細かい変更点としては、右手側側面のMOVIEボタン(確かにそんなに押しやすいと思えない位置にあった)が背面に移動し、好みの機能を割り当てられるC3ボタンが、背面の右手側から左手側に移動。コントロールホイールも若干大型化して使いやすそうになっています。 

画質とスピード

イメージセンサー・手振れ位補正・画像処理の比較

 α9α7R IIα7S IIα7 II
有効画素数2420万画素4,240万画素1,220万画素2,430万画素
センサータイプ積層型CMOS
(Exmor RS CMOS)
CMOS
(Exmor CMOS)
CMOS
(Exmor CMOS)
CMOS
(Exmor CMOS)
センサーサイズ35mmフルサイズ
(35.6×23.8mm)
35mmフルサイズ
(35.6×23.8mm)
35mmフルサイズ
(35.6×23.8mm)
35mmフルサイズ
(35.6×23.8mm)
ローパスフィルターレス不詳
ISO感度
(拡張最高感度)
100〜51200
(204,800)
100〜25,600
(102,400)
100〜102,400
(409,600)
100〜25,600
(25,600)
手ぶれ補正
(5軸 5.0段)

(5軸 4.5段)

(5軸 4.5段)

(5軸 4.5段)
画像処理プロセッサBIONZ XBIONZ XBIONZ XBIONZ X
その他    

α9のセンサーは、有効画素数は2,420万画素。高精細タイプのα7R IIは裏面照射型の有効4,240万画素のローパスフィルターレス、高感度タイプのα7S IIは有効1,220万画素のローパスフィルターあり、α7 IIは2,430万画素のローパスフィルターあり。また、α9の画像処理エンジンのBIONZ Xも、バージョンは不明ですが、処理能力は従来の約1.8倍に向上しているといいます。

Sony Alpha Rumorsにによる、「α9、α7R II、Nikon D5のダイナミックレンジ比較」では、α9のダイナミックレンジはα7R IIとニコンD5の中間と計測されています。画素数が多い方がダイナミックレンジに有利に働くことを考えると、α7R IIのピクセル数がα9の2倍近いため、αは非常に奮闘している結果と言えそうです。

α9、α7R II、Nikon D5のダイナミックレンジ比較
α9、α7R II、Nikon D5のダイナミックレンジ比較

α9のISOの設定範囲は常用でISO100~51200、拡張で204800まで。高感度仕様のα7S IIから一段低いスペックですが、α7R IIよりも暗所撮影にも強い仕様となっています。また、ボディ内手ブレ補正は、α7 IIシリーズ3機種の補正効果が4.5段分なのに対し、α9は5.0段に微小ながら改善され、手持ち撮影に重宝しそうです。なお、動画撮影時にも光学式補正が使用できます。

オートフォーカス・超高速連写

α9の最大の特徴ともいえる積層型CMOS(Exmor RS)と、従来のCMOS(Exmor)との違いは処理能力の速さです。α9のは、α7 IIのExmorと画素数でも、読み出し速度が20倍以上も高速化しているとのこと。この積層型CMOSにより読み出しスピードの効果が強力にあらわれるのが「AF」と「連写」です。その凄まじいメリットを紹介していきます。

 

 α9α7R IIα7S IIα7 II
AF方式ファストハイブリッドAF
(像面位相差AF、コントラストAF)
ファストハイブリッドAF
(像面位相差AF、コントラストAF)
コントラストAFファストハイブリッドAF
(像面位相差AF、コントラストAF)
測距点位相差 693点
コントラスト 25点
位相差 339点
コントラスト 25点
コントラスト 169点位相差 117点
コントラスト 25点
測距範囲-3〜20EV-3〜20EV-3〜20EV-1〜20EV
シャッタースピード1/8000〜30秒(メカ)
1/32000〜30秒(電子)
1/8000〜30秒(メカ)1/8000〜30秒(メカ)1/8000〜30秒(メカ)
電子先幕シャッター
フラッシュ同調速度1/250秒以下1/250秒以下1/250秒以下1/250秒以下
連続撮影コマ数20コマ/秒(AF追従)5コマ/秒(AF追従)

5コマ/秒(AF追従)
※速度最優先撮影時

5コマ/秒(AF追従)
連続撮影バッファRAWあり: 241枚
RAWなし: 362枚
RAWあり: 23枚
RAWなし: 37枚
RAWあり: 59枚
RAWなし: 200枚
RAWあり: 30枚
RAWなし: 200枚
その他

ブラックアウトレス
4Dフォーカス

サイレント撮影

サイレント撮影サイレント撮影 
 

AF測距点が693カ所で全画面の93%をカバー

α9のAFは693点の撮像面位相差検出と25点のコントラスト検出を併用するファストハイブリッドAFで、画面の約93%をカバーされます。位相差117点のα7 IIや399点のα7R IIと比べると(α7S IIは169点のコントラスト検出AF)、測距点数の多さもさることながら、カバーエリアの広さは圧倒的。 

また、α9にはα6500などに搭載されていた4Dフォーカスもフルサイズとしては初搭載され、動体への追尾性も高いAFとなっているようです。 


Sony UKより

ブラックアウトなしで20コマ/秒の高速連写

 α9は、AF測距点が693カ所もあるにも関わらず、積層型CMOS(Exmor RS)の処理能力により、AF・AEの演算を最大で毎秒60回も実行。

その結果、最速1/32,000秒の電子シャッターとの組み合せにより、ファインダーのブラックアウトなし、無音・無振動で、20コマ/秒もの超高速連写を実現しています。なお、Aマウントレンズ装着時も撮像面位相差検出AFで最高10コマ/秒連写が可能です。 また、メカシャッターでは、最速1/8,000秒で、連写は5コマ/秒と、他のα7 IIシリーズと同じ性能となります。

また、一眼レフであっても被写体を追いながら高速連写を続けていると、ミラーが上下することによりファインダーが高速で明滅するために目の負担を感じることもありますが、α9は完全ブラックアウトレスです。

 一眼レフのメカニカルシャッターでは、D5や1DX MarkIIのようなフラッグシップ機でも1/8000秒が限界。さらにシャッター音も煩わく鳴り響いてたのですが、α9は完全に無音・無振動です。無音シャッターは、至近距離でのペットや寝ている赤ちゃんを撮影しても嫌な思いをせずにすみますし、音楽会などシャッター音がはばかられる撮影にも威力を発揮します。

さらに、積層型CMOS(Exmor RS)の高速処理により、これまで電子シャッターの課題と言われていた「ローリングシャッター歪み」が発生しないこともα9の特徴です。ただし、完全に歪みが生じないグローバルシャッターではなく、読み出し速度を格段に上げたことで事実上歪みを発生しない(アンチディストーションシャッター)という扱いです。

連写速度のみならず、バッファメモリーの大容量化しています。LサイズのJPEG画像なら画質にかかわらず362コマまで、14bit圧縮RAWでも241コマまで連続撮影が可能です。

液晶モニタ

 α9α7R IIα7S IIα7 II
画面サイズ3.0型3.0型3.0型3.0型
ドット数144万ドット123万ドット123万ドット123万ドット
可動式モニタチルト方式チルト方式チルト方式チルト方式
タッチ操作

3.0型のチルト式液晶モニターもα7 IIシリーズの123万ドットから144万ドットにアップグレード。また、フルサイズのミラーレス一眼としては初めてタッチパネルも搭載され、画面に触れることで素早く測距点を移動させるなどの操作も可能です。 

ファインダー

 α9α7R IIα7S IIα7 II
ファインダーEVFEVFEVFEVF
ドット数368万ドット236万ドット236万ドット236万ドット
ファインダー視野率
(上下/左右)
100 % / 100 %100 % / 100 %100 % / 100 %100 % / 100 %
ファインダー倍率
(35mm換算)
0.78倍0.78倍0.78倍0.71倍
最高フレームレート120fps不詳不詳不詳

EVFは視野率100%、倍率0.78倍。これはα7R II、α7S IIと同じで、α7 IIだけは少し低い0.71倍。ドット数も、α7 IIシリーズの約236万ドットから369万ドットいなり、高解像度化しています。、あた、フレームレートは高速な120fpsと、省電力な60fpsから選択が可能。

動画

 α9α7R IIα7S IIα7 II
記録方式XAVC S:LPCM
AVCHD:AC-3
MP4:MPEG-4 AAC-LC
XAVC S:LPCM
AVCHD:AC-3
MP4:MPEG-4 AAC-LC
XAVC S:LPCM
AVCHD:AC-3
MP4:MPEG-4 AAC-LC
XAVC S:LPCM
AVCHD:AC-3
MP4:MPEG-4 AAC-LC
動画記録サイズ/
フレームレート
4K 30p
(全画素読み出し)
FHD 120p
HD 30p
4K 30p
FHD 120p
4K 30p
FHD 120p
FHD 60p
HD 120p
その他    

 

動画の記録方式はXAVC S(3,840×2,160、30p)AVCHD(1,920×1,080、60p、28Mbpsほか)、MP4(1,920×1,080、60p)。α7R IIとα7S IIはXAVC S(4K 30p、100Mbps)の4K動画、α7 IIは(FHD 60p、50Mbps)。

インターフェース

 α9α7R IIα7S IIα7 II
映像/音声出力
・デジタル端子
Micro USBMicro USBMicro USBMicro USB
外部マイク入力端子φ3.5mmφ3.5mmφ3.5mmφ3.5mm
HDMIType DType DType DType D
Wi-Fi
Buletuooth
GPS
電子水準器
内蔵フラッシュ
その他LANポート
(100BASE-TX)
   

 

via デジカメWatch

本体左手側にあるインターフェースも強化。α7 IIシリーズは、マイク、ヘッドホン、マルチ/マイクロUSB、HDMIの端子を備えます。α9はこれに加えて有線LAN(100BASE-TX)とシンクロターミナルがあります。

Wi-Fi機能はもちろん、α7 IIシリーズにはないBluetoothを新たに搭載。スマートフォンなどと連携してGPSの位置情報を取得できます。

用途別のおすすめ機種は?

α9の特徴としては、次のようなものがあります。

  • 秒間20コマの追従AE/AFの連写性能
  • 積層型CMOSの高速処理による豊富な機能改善(ブラックアウト、歪みなし)
  • 高精細なファインダー
  • スポーツカメラに相応しいドライブダイヤル
  • 多点測距をサポートするジョイスティック
  • タッチパネル対応

レンズ交換式カメラの中では、間違いなくトップの連写性能と広く高密度な測距点を持つカメラといえます。画面のほぼ全面をカバーする693点測距というスペックは前代未聞。もちろん値段はある程度お高いですが、スポーツなど「動きモノ」を撮るには魅力的なカメラです。

ミラーレスでは、すでにOLYMPUS OM-D E-M1 Mark IIが、18コマ/秒のAF追従連写を実現しています。ですが、α9はフルサイズセンサー搭載で、ブラックアウトもなく、ローリングシャッター歪みのない、RAWでも200枚以上連写できるバッファで、20コマ/秒の連写というスペックは見逃せません。

一方で、α7R IIは、有効画素数が多く、風景のように情報量が多い撮影シーンに適しているモデル。2000万画素も差があり、より大きなプリントサイズに対応できることは、風景やスタジオ写真家にとって大きなアドバンテージです。α7R IIのAFはα9には及ばないものの非常に優れており、日常の撮影では5fpsでも申し分ありません。α9のような高速連写性能や高速処理が必要なければ、値段もα9よりも20万円ほど安いため、十分な選択肢でしょう。

画像引用:Sony


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