「月」を撮影する

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月の撮影は、やってみると思ったよりも難しいものです。ここでは、カメラの設定、月を含めた写真の構図の基本をアドバイスします。

一般的には、「月撮影はお金がかかる」ということです。既に多くのレンズラインナップをお持ちであれば、かなり満足のいく写真が撮れると思われます。ここでは、少ない予算でも月撮影をうまくこなすコツの伝授も試みます。

1: 「月の周期」について知る

月が地球を周回し、異なる角度から太陽光が当たることによって、月の満ち欠けが生じます。

それぞれの周期では、異なる見かけや印象を与えます。

「満月」はもっとも明るく、輪郭も美しですが、太陽光が正面からぶつかる関係で、どうしても平坦に見えてしまいます。「半月」は、横から太陽光が当たるため、月の表面のクレーターや山脈の陰影をもっとも深く見せます。「三日月」はもっとも暗いですが、その妖艶な形状は、ぱっとしない空の景色を印象的に変える材料になります。

2: 月を撮るのにベストな時間帯は?

写真に適した時間帯は、
・「黄昏のとき」(すなわち「日の出の直前」もしくは「日の入りの直後」)
  かつ
・「月がもっとも地平線に近い時

になります。それら空に若干の残光が残る時間帯であるため、月周辺のディテールを際立たせ、また、空と雲を色づかせます。これにより、写真の印象度が一つ抜きん出ます。

「月がもっとも地平線に近い時」(月の出、月の入)の時間帯は↓のサイトで検索できます。
(英語ですが、撮影地点を入力するだけなので簡単です。)
 http://www.timeanddate.com/worldclock/moonrise.html

Alien Shore Revisited
雰囲気の出ている黄昏時の月 (Photo by jah.)

この時間帯は変化がものすごく早いため、時間に余裕をもって撮影ポイントに陣取り、準備をする必要があります。光の加減が段階的に変化するため、一連の変化を写真に収め続けましょう。その中からベストな一枚を見つけてください。

3: ドアップの月を撮影するには?

望遠レンズを持っているなら、迫力のあるディテールの月をズームアップで撮影できます。

Full Moon at Perigee
望遠レンズならここまでディテールに迫力ある月になる (Photo by Nick.)

【必要なもの】
・望遠レンズ(焦点距離が最低でも300mm以上。ベストは800mm)
・三脚
・レリーズ(持っていない場合は、セルフタイマーで代用可)

望遠レンズは焦点距離が300mm以上のものを推奨します。300mmの望遠であっても、望遠で撮影したうえで周辺をトリミングで切り抜かないと、画面いっぱいの月の絵にはなりません。

さらに、望遠の撮影ですと手振れがひどくなるので、三脚で固定することも必須になります。シャッターを切るときはレリーズを使うと楽ですが、持っていなければわざわざ買う必要はありません。セルフタイマー機能でも代用ができます。

<カメラの設定>
月の撮影において、カメラの設定を適正にすることは一筋縄ではありません。撮影のシチュエーションが時間の経過と共に大きく変化するためです。

【推奨の設定】
・撮影モード:マニュアル撮影モード(Mモード) 
・絞り:F11くらい
・ISO感度:100~200(一番低くする)
・ホワイトバランス:オートか太陽光
・シャッター速度:1/50〜1/250(焦点距離や明るさによっていろいろ試すべき)

シャッター速度は、
「撮影する→液晶画面で確認する→適宜調整する→撮影する→・・・」
という行程をひたすら繰り返します。すべてのシチュエーションに対応できる設定は存在しません。試行錯誤が必要です。

4: 前景に違う被写体を含めてみる

望遠レンズを持っていない場合で、通常のレンズで月を魅力的に撮るためには、「構図」で工夫を加える必要があります。

望遠でないレンズで月をメインにして撮影しても、あまり印象的な絵にはなりません。それよりむしろ、前景に違うメインの被写体を置き、背景を月にして撮影した方が味が出ます。前景には、草の葉山など、下から上に伸びる被写体がオススメです。

Moon Over Cactus
前景に何かしら被写体を加えることで印象がアップする (Photo by Wendell.)

これで標準レンズでもある程度の見栄えの写真が撮れます。ただし、この撮影法は、月と前景の両方が適正な露出でなければならない、という大きな難点もあります。撮ってみるとわかりますが、月に露出を最適化すると、前景が暗くなってしまいます…。なので、これはこれで難易度が高いのです。

5: Photoshopで加工してみる

もしフォトショップなどの画像エディターを持っているなら、二つの画像を合成することで、複数の被写体も適正露出で画面内に収めることができます。もしくば、画像の移動やリサイズによって、月をより適した構図に収めることもできます。

Destination
2つの被写体を適正露出に組み合わせることにより、このような素晴らしい写真が完成する (Photo by James Jordan.)

写真愛好家の間では、写真はのデジタル加工はするべきではない、との意見もあります。しかし、デジタル加工は時として、写真を見る人がそれが偽物であることがわかっていても、息を飲むようなイメージに仕上げることがあります。肯定派・否定派のどちらにつくかは、自身で判断してください。

先に述べたように、月の撮影は非常に難しいテクニックを要します。されど、パーフェクトショットが完成したとき、その苦労の見返りは非常に大きいものがあります。撮影は、テクニック学習と実験のプロセスになります。これを極めることができたら、そこで得たテクニックは、スナップ写真にも露光写真にも応用できるものになります。では検討を祈ります。

引用元:How to Photograph the Moon(Photography Mad)

6: 巨大な月をバックに撮影する(応用編)

giantmoon-6

これは、Philipp Schmidli氏の作品で巨大な月をバックにした写真です。
600mmのレンズ(百万円以上)をコンバーター(焦点距離を2倍にするアダプタ)を使用して1200mmにし、1.3kmの距離から撮影したとのこと。。。

月の見える方角やロケーションが適した場所を探すのにGoogle Earthを使い、スイスの丘で撮影したそうです。
悪天候なども影響し、この写真を撮るのに4ヶ月!もかかったそうです。自分でやるには場所決めや運などにも左右されますし、機材もかなり揃えないといけないので上級者向けといえます。

http://petapixel.com/2013/04/27/silhouettes-in-a-giant-moonrise-captured-using-a-1200mm-lens/

giantmoon-3

giantmoon-5giantmoon-7giantmoon-6 (1)giantmoon-4

もっとすごい、スーパームーン。こちらはAlessandro Della Bellaの撮影した月の写真です。
800mm(400mm+2倍のテレコン)レンズで撮影したそうです。
closer1

http://petapixel.com/2013/06/24/gorgeous-photographs-of-the-supermoon-rising-above-a-swiss-peak/?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+PetaPixel+%28PetaPixel%29&utm_content=livedoor